しかし「熱帯夜」という言葉を考えた人は誰なのだろう。
この言葉が生まれた当時は、
本州で夜もこんなに蒸すなんて、
まるで熱帯の様だなぁと思ったんだろうなとか、
時々勝手に想像してみたりする。
何となく、名も知らない遠くの島から、
椰子の実が流れ着く歌が、当時の日本人の心を掴んだ空気感と、
どことなく同じものを感じる。
しかし今年は、風情もなにもない「猛暑日」なんてのが、
日々これでもかとやって来て、夜になっても当たり前に暑く、
熱帯夜の風情など考え及ばなくなってどうにも疲れた。
それにやはり今年は季節の進みが遅い。
今日だって入道雲が浮かんで、蝉が鳴いていた。
とは言いながら、当たり前ではあるけれど、
冷える夜も増えて来て、寒暖の差が随分とある。
先日、もうどっちでも大丈夫な様に、
思い切ってホットカーペットを出した。
これは早まったけれど、仕舞うのも面倒くさいので、
そのまま出してある。
そこで始まるのは陣取り合戦である。
以前はニュー座椅子の争奪戦と、
それに続く奪還戦をお伝えしたけれど、
今回はカーペットカバーの端っこ争奪戦である。
今や座椅子を完全に奪われ、
秋仕様にした寝室の、寝心地を先に満喫され、
全体的に毛だらけにされている我が方としては、
カーペットはいち早く確保せねばならぬ。
と、思いながらトイレに行ったら、
アットイウマに奪われていた。
ニクイ事に、端に座って場所を守りながら「龍馬伝」まで観ている。
何だか敵ながら天晴な戦いぶりに感心して、
反対側の端っこで隙間風を浴びていたら、
窓の外に遊びに来たムスコの彼女に慰められた。
誠に中年の一人暮らしリポートなのである。