は、朝から帝国ホテルにいた。
いつも思うけれど、都内の道路や電車は、
盆と正月の人の数で丁度良い様に出来ているのではないか。
しかるに、二十歳前後のお嬢さん方というのは、
何というか盆も正月も関係なく華があって場を明るくするなぁと、
逢う度に綺麗になる姉妹を見て思う。
本番恙なく終了。
その足で東京駅へ。
数年ぶり、もしかしたら正月は14・5年ぶりで故郷に帰った。
二時間もかからない距離の何と遠い事か。
そして何と寒い事か。
寒い中見上げると、
知らない建物が沢山あって、知らない看板が沢山あって、
知っている建物は皆灯りが消えて、毎日帰ったビルは跡形もなく、
知っているのに知らない街であった。
帝国ホテル仕様のままで雪道を歩くのは大変だなぁと思っていたら、
甥が靴を抱えて迎えに来てくれて、
姉達が居て、やっと知ってる街になり、
良く喋る下の甥は、知らないのに良く知った子で、
あぁ、弱ってるなぁと、今書いていても思う。
翌日再会した旧い
友人は誠に昔のままで、
逢うなり「老けるもんだねぇ」と言われ、
「お互いにねぇ」と言って、やっと本当に知った街に戻った。
ただ馬鹿に呑み、必要な無駄話をして、
その際に撮った写真がこれだけではいけない。
取り急いで昼と夜の景色も撮ってみて、
やはり子供時分に同じ場所から見た記憶の中の街とは、
少し高さが違うなぁと思う。
東京への帰り道、
ぎゅうぎゅうの新幹線から途中下車した街には雪がなく、
クニでは寒かった格好で汗をかいて餃子を食った。
ぎゅうぎゅうの湘南新宿ラインから乗り継いで
家に着くといつもの匂いがして、
毛むくじゃらもいて、
実はかなりホッとした。
でも少し元気になっていて、
酒も飲まずに早く寝た。