物語という人形劇があった。
僕が子供時分のNHKは、夕方に人形劇をやっていて、
真田十勇士だの笛吹き童子だの、
何と言うか歴史ものが数多かったのだけれど、
その中にあって異色なのがプリンプリン物語であった。
だいたい名前から凄いではないかプリンプリン。
故郷を探して旅を続ける美しき主人公である。
調べた訳ではないし、なにぶん何十年も前の事で、
記憶違いもあろうけれど、今思い返すと、
なかなかシュールな設定が多かった印象がある。
旅を続けるプリンプリン一行は、様々な国に立ち寄る。
とにかくラテンなノリで、国民みんなが、
「バルンババルンババルンバ、ルンババルンババルンバ♪」
と、陽気な国歌を歌い踊っていた『バルンバ帝国』では、
プーチン首相が国民を洗脳して、国歌を「プーチン万歳」に変えてしまう。
とにかくのんびりしていて、国歌も
「なんにもしないのがぁ、世界で一番良い事だぁ♪」
という島国の国名は忘れたけれど、偉大な国王「おさらムームー12世」亡き後、
それぞれが「おさらムームー12.5世」を名乗り、
島を平和裏に三分割して統治していた三人の王子達は、
武器商人にそそのかされ、自分の領土を守る為に武器買い付けに出かける。
資金は勿論国民から取り立てる訳で、みんな困惑してしまう。
ミサイルを持って帰って来ると、お金を作る為に働き者になった国民は、
あんな駄目王子達は必要ないと気がつき、
誰も彼らを必要としない暮らしを始めていて、王子達は愕然とする。
国歌の歌い出しが「世界で一番優れた民族」という、
軍事国家『アクタ共和国』は、独裁者ルチ将軍の統治が憲法で決まっていて、
選挙はあるが投票所はない。他に投票したい者は勝手に投票箱を作れる。
されど命の保障はされない。
王子達を唆して武器を売りつけ、ルチ将軍の強力な軍隊も支えているのは、
怪人ミスターランカー。世界お金持ち倶楽部の会員。
彼の顔はとても堀が深く、特定の人種を思い起こさせる。
そして、彼に仕える美女のヘドロ、その手下のシドロ・モドロと共に、
「世界お金持ち倶楽部の歌」を歌い、最後に両手を挙げて「オー!」とやる姿は、
実在する獅子の倶楽部を連想させる。
他にも『ケントッキー共和国』は、自分の理屈を他に押し付ければ、
国は大きく豊かになると信じていたり、プリンプリンのそっくりさん、
ペリンペリンやポリンポリンが登場して、ある国の王位継承争いに巻き込まれたり。
昔のタイムボカンシリーズやら今時ならクレヨンしんちゃんに通じる、
子供向けかこれ?というエピソードがちりばめられていた。
今観たらどう感じるのかなぁと思う。
サブキャラが多い中、唇の厚い、「華のアナウンサー」というのがいた。
「ざんざーかざん、ざかざかざーん♪」と、
ニュース解説の曲を歌いながら登場する彼は、
たまに『特派員』と名乗っていた。
で、ようやっと本題であって、今回も誠に恐縮だけれども、
特派員の話である。
しょっちゅう変な写真を撮ってはここにアップしたり、
一方的に送りつけたりしていたら、有難い事に、
「こんなのがありました」と写真を送ってくれる特派員が誕生していた。
ここに彼ら彼女らの、ジャーナリスト魂をご紹介。
と思ったのだけれど、あまりにも長いので、
次のエントリでご紹介致します。
繊細さに欠けた失態を泣きじゃくりながら悔いる彼と同様、
僕も緻密な計画が苦手であるので、
どうかご容赦頂きたいのである。